はじめに
最近Obsidianで日記だったり技術系のドキュメントを執筆していて、今後もこのツールにお世話になりそうなので構築方法をメモとして残します。以降、採用理由等の記載により前置きが長いため、具体的な手順だけ確認したい場合はこちらへお進みください。
Obsidianって何
ひとこと で言うと、「Markdownベースのノート管理ツール」。そのほかの特徴は以下のとおり。とにかく便利。
- ノートは通常、ローカルに保存されるけど、ユーザの好みによってクラウドと同期したり、Git管理等のカスタマイズもできる。
- クロスプラットフォームだから、OSを気にせず使える
- ノートを管理するフォルダのようなもの(保管庫)をVaultと読んでいる
- Vault内のノートの関連性を可視化(グラフビュー)できる
- コミュニティプラグイン(有志が作ったプラグイン)がとにかく有能で豊富
何でObsidian使ってんの
自分の好きな形式でメモが残せて、マインドマップも使えるから使ってる。具体的には
- Markdownを書くのが楽しいから Markdownの記法についてはこちら
- エディタに直接画像を貼り付けられるから
- Canvasで自分の思考を可視化・整理できるから
- UIがシンプルでわかりやすいから
- ローカルファーストで自分のデータを自分で管理できるから(Git管理したかった)
- 会員登録不要で無料で使えるから
- ローカルLLMを動かせるから
他の競合ツールも調査しましたが、Obsidian
はVS Code
、OneNote
、draw.io
の利点を兼ね備えており、無料で自分の求める機能が全て実現できると判断しました。
何の媒体使ってるの
- M3 MacBook … メイン(執筆、閲覧用途)
- iPad mini 6gen … サブ(微修正、閲覧用途)
- iPhone 15 … サブ(閲覧、微修正用途)
構築手順
Obsidianのインストール
Obsidianの公式サイトでインストーラを入手してインストールします。
brewコマンドもからインストールできます。
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Vaultの作成
Obsidianを開いて「保管庫を新規作成する」の「作成」を押下します。
「保管庫の名称」に任意のVault名(リポジトリ名なので英数字)、「ロケーション」にVaultの格納先を指定し、「作成」を押下します。
Welcomeページが開いたらVaultの作成は完了です。
Gitのインストール
今回はGitHubでノートをバージョン管理したいので Gitの公式サイトからインストーラを入手してインストールします。
他にもObsidian公式でクラウド保存する有料サービスや、iCloudでも保存する機能、
DropBox等クラウドサービスと同期するプラグインもあるので、この辺は自分の用途や好みに合わせてください。
brewコマンドもからインストールできます。
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作成したVault内のファイルをGitの追跡対象にする
Gitをインストールした以下のコマンドで先ほど作成したVault内のファイルをGitの追跡対象として追加します。
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GitHubのユーザとメールアドレスのデフォルト値を設定する(git initの度に設定するのが面倒な)場合は--global
オプションを付与してください。
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追跡対象を追加する前に追跡対象外とするファイルやディレクトリを.gitignoreに追記します。(任意)
# .gitignoreにはgitの追跡対象外(環境依存ファイルや機密情報が保持されたファイル等)としたい資材のパスを記載します。
# 以下はobsidianで今開いているタブ等を保持するファイルで端末依存ファイルに該当するため、除外しています。
.obsidian/workspace.json
.obsidian/workspace-mobile.json
以下のコマンドで追跡対象として追加し、リポジトリに反映(コミット)しています。
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(おまけ)Gitの改行設定
また、Obsidianをデフォルト改行コードの異なるOSを跨いで利用する場合、 gitの設定によってはファイルを開くたびに改行コードが変換されて差分検出されてしまいます。以下の対応を行ってください。
改行コードを変更しない設定
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.gitattributesに記載
.gitattributes
ファイルに以下の設定を追記します。
# コミット時に改行コードをLFに変換
* text eol=lf
設定を反映させるには、以下のコマンドを実行してGitの設定を再読み込みしてください。
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GitHubのリモートリポジトリの作成
GitHubのリモートリポジトリを作成する代表的な方法は3つあります。
- GitHubからブラウザ経由で作成
- GitHub Desktopから作成 GitHub Desktopのインストール方法 - GitHub Docs
- GitHub CLI(ghコマンド)から作成 GitHub CLI クイックスタート - GitHub Docs
リポジトリの可視性(Public/Private)は任意です。公開したくない情報がある場合はPrivateにしてください。
GitHubのリモートリポジトリとローカルリポジトリの紐付け&push
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GitHub DesktopからであればUI操作で紐付け等できます。(割愛)
ここまででVaultをGitHubで管理できるようになりました。
あとはObsidianのGitプラグインを使うことで、pull、pushの自動化ができるので、
クラウドアプリのようにリモートリポジトリと簡単に同期できます。
その他有用なプラグイン
Smart Composer
チャットbotでAIがドキュメントの執筆支援をしてくれるプラグインです。
APIからollamaを使用したLLMのローカル実行まで対応しています。
ObsidianでローカルLMMを使う
So everyone, enjoy life!